レビューのようなもの

映画・ドラマ・アニメ・漫画のレビューです。お気に入りの作品をつらつらと紹介してます。

特別編①:なぜ最終回のEDロールでニッキーの泣きのシーンが流れたのか?

 オレンジイズニューブラックのシーズン7最終回では、EDのスタッフロールにおいて各出演者からの別れの挨拶となる映像が流されたが、その中でニッキーだけは作中の出演シーンのNGテイクとなっていた。


 それは、アレックスからオハイオの刑務所に移ることになった事を打ち明けられたニッキーが涙を流して軽口を言うシーンである。

 

他の登場人物の場合はフェアウェルな表現が多かっただけに、やけに印象に残るものとなっていたが、なぜこのような演出がとられたのか?


 作中で使用されたOKテイクでは少し顔を歪ませて気丈にふるまう程度の表現に抑えられていたが、敢えて彼女の悲しみを前面に押し出したNGテイクを使用した理由とは何か?

 

 

 それは、ニッキーこそがこの作品の裏の主人公であるからなのではないだろうか。

 

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第9回:ラブリーボーン


映画『ラブリーボーン』予告編

 

”『ラブリーボーン』(原題:The Lovely Bones)は、2009年のアメリカ・イギリス・ニュージーランドの合作映画(日本では2010年公開)。原作はアリス・シーボルドの小説『ラブリー・ボーン』。
1973年、雪の降る12月のある日のことだった。14歳のスージー・サーモン(魚の「サーモン」みたいな名前と彼女は言っていた)は学校から家に帰る途中、トウモロコシ畑の中に穴を掘って作った地下の隠れ家に誘い込まれた。そこで彼女は残忍にも殺害されてしまう。連続殺人の新たな犠牲者となったスージーは、その男を知っていた。それは近所に住む男、ハーベイだった。スージーは、天国から家族や友人、そして犯人の人生を見届ける。 ”(Wikipediaより抜粋)

 

 

NETFLIXで公開されていたが、現在ではAmazonプライムビデオで字幕版のみ公開中(2018/12/31で公開終了の模様)。

美麗な映像技術が特徴で、根強いファンがいる有名な作品だが、あえて言いたい。

 

こんなにも観ていて苛立った作品は初めてだ。

 

 

以下に作品のあらすじを含めて述べていきたいので、ネタバレを回避したい場合は先に作品を鑑賞して欲しい。

 

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第8回:狂四郎2030

ジャングルの王者ターちゃん」で有名な徳弘正也氏の漫画作品。全20巻。

 

”「スーパージャンプ」にて1997年21号より2004年16号まで連載された。

遺伝子が全ての優劣を決めるという思想、徹底的な管理社会、人殺しの心理、「理想郷」が抱える矛盾など、人間の持つ負の側面に深く踏み込んだ骨太なストーリーに加え、どんなにシリアスな場面でもギャグを挟むのを忘れない作者のスタイルも健在で、本作において一種のシチュエーション・コメディになっている。ひたすら暗く絶望的な世界観の中、主人公とヒロインの「逢いたい」という一途な想いを貫く姿と、主人公の相棒の存在が、人間の心の強さを表現している。あおり文では本作を「近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画」と表現した。

週刊少年ジャンプで『水のともだちカッパーマン』、『Wrestling with もも子』と二作続けて失敗した作者は少年漫画家として生きる道を失ってしまい、漫画家生命をかけた作品が本作であった。スーパージャンプではもも子の続編を描くつもりだったが編集長に却下され、本作が描かれることとなった。といっても概略はぼんやりしていたといい、いわゆる「ギャグSF」にするか「ストーリーモノ」にするかすらなかなか決まらず、一話はどちらにも転用できる作りになっているという。”(Wikipediaより抜粋)

 

 

第3次世界大戦後の荒廃した日本が舞台。国は独裁政権を敷くゲノム党に支配されており、生き残った国民は男女に隔離されて農園で奴隷労働を強いられ、特権階級だけが裕福な暮らしを謳歌していた。そして政策として一部の国民にはバーチャルマシンが配布され、利用者の殆どは過酷な現実から逃れる為に仮想空間での性行為に耽っていた。

元軍人の狂四郎は治安警察の一員として敗残兵狩りを行っており、その血濡れた日常の慰めとしてバーチャルマシンを利用し、仮想世界に登場する女性・志乃と清らかな愛を育んでいた。

ある時、天才科学者のクローン脳を移植された喋る犬・バベンスキーを拾った狂四郎は自宅に連れて帰るが、バベンスキーは仮想世界のキャラクターである志乃が只のデータではなく実在する人間であることを発見する。

志乃の正体はバーチャルマシンの管理を行う下級公務員・ユリカで、仮想世界でひた向きに剣術修行をする狂四郎の姿に惚れ、AIの振りをして狂四郎の恋人となった。

真実を知った狂四郎ユリカと愛し合いプロポーズをする。そして現実のユリカと会う為に、国家反逆者として追われながら彼女のいる北海道の中央政府電子管理センターを目指してバベンスキーと2人で旅をする。

 

一般の知名度は低いが、マニアの間では有名な作品。

個人的には手塚治虫などの偉人の名作に引けを取らない傑作である。初めて読んだ時、この作者は間違いなく天才だと感じた。

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第7回:月とキャベツ


月とキャベツ

 

”『月とキャベツ』は、1996年に制作された篠原哲雄監督の日本映画。鶴間香のシナリオ・『眠れない夜の終わり』(さっぽろ映像セミナー 受講シナリオ)を原案として、篠原哲雄真柴あずきが脚本を書いた。歌手の山崎まさよしが主役を務める(俳優としての映画デビュー作)と同時に映画音楽も担当し、主題歌として用いられた「One more time, One more chance」は山崎の代表作の一つともなった。”Wikipediaより抜粋)

 

 

人気ミュージシャンだった火花は音楽活動から離れて田舎に引きこもり、のんびりとキャベツの栽培をする生活を送っていた。そんなある日、彼のファンと名乗る謎の少女ヒバナと出会い、彼女との交流の中で徐々に1つの楽曲が出来上がっていく。

 

端的に言えば、山崎まさよしの名曲「One more time, One more chance」が完成するまでの物語。

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第6回:キミとボクの距離


The Space Between Us | Official Trailer | Own it Now on Digital HD, Blu-ray™ & DVD

 

NETFLIXで配信中のSF映画。日本未公開作品。

 

民間企業主導による火星入植計画によって宇宙へと旅立った宇宙飛行士たちだったが、そのスペースシャトルの中でチームリーダであった女性飛行士の妊娠が発覚し、火星到着後まもなく彼女は男の子を出産して死亡してしまう。

この前代未聞の事態は企業の上層部の決定によりすべて隠蔽されてしまい、生まれた子供の存在は現地の宇宙飛行士を含む一部の人間にしか知らされなかった。

16年後、立派に育った少年・ガードナーはハッキングによって母親の情報を取得し、そこに不明だった自身の父親らしき人物の姿を発見する。さらに情報を探るため利用したネットを通じて地球に住む少女・タルサと親しくなり、意気投合する。

火星で彼の母親代わりとなっていた宇宙飛行士・ケンドラは優秀な彼を地球で生活させるべきだと企業へ訴えるが、地球の重力下で生活する為にはリスクの高い手術を行う必要があるため退けられる。しかし地球で父親を探す為に強い意志を見せるガードナーを、ケンドラは自分と一緒に秘密裏に地球へ連れていく。

地球に到着したガードナーは手術を受ける為に収容されていた施設を脱走してタルサと出会い、僅かな手がかりから彼女と2人で父親を捜す旅をする。

 

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第5回:オレンジ・イズ・ニュー・ブラック


オレンジ・イズ・ニュー・ブラック予告編 - Netflix [HD]

 

ニューヨークの裕福な家庭で育ったお嬢様である主人公パイパー・チャップマンは、10年前に当時のレズビアンの恋人の麻薬取引を手伝った罪で投獄される。彼女と他の女囚人との刑務所での生活を描いたヒューマンドラマである。

2010年に刊行されたパイパー・カーマン(Piper Kerman)のノンフィクション『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女性刑務所での日々』(Orange Is the New Black: My Year in a Women's Prison)を原作としている。

1stシーズンは2013年7月11日に、2ndシーズンは2014年6月6日に、3rdシーズンは2015年6月11日に、4thシーズンは2016年6月17日、5thシーズンは2017年6月9日に、6thシーズンは2018年7月27日にそれぞれ公開された。5th、6th、7thシーズンの製作が2016年2月に発表されている。7thシーズンをもって終了と発表されている

2016年2月の時点でネットフリックスで最も視聴された"オリジナル"作品であると発表されている

日本語版は2015年9月よりネットフリックスより配信された。”Wikipediaより抜粋)

 

 

NETFLIXオリジナルドラマの中で一番有名な作品。

主人公のパイパー・チャップマンは10年前に若気の至りで犯した罪により、今更になって女子刑務所に15ヶ月も収監されることになる。

裕福な家庭で育ち、友人と会社を共同経営しているインテリで白人の彼女にとって、刑務所の中異世界そのもの。

ワルに囲まれ独特のルールに翻弄されながら、少しずつ環境に適応していく彼女の囚人生活は、「波風立てずにおとなしく過ごす」という当初の目標から大きく外れていくことになる。

 パイパーの監獄生活を追い、レズビアンの元恋人アレックスとの再会や他の囚人との諍いを経て、彼女は無事に刑期を終えて外に出られるのか、というのが話の主軸となるが、物語は彼女以外の登場人物にもフォーカスをあてていく群像劇として進行していく。

 

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第4回:13の理由


カセットテープが語る真実とは? 『13の理由』予告編

 

”『13の理由』(英語:13 Reasons Why)はジェイ・アッシャーの小説を原作としたテレビドラマ。2017年3月にNetflixで配信された。脚本はブライアン・ヨーキー、製作総指揮はセレーナ・ゴメス。配信直後からその衝撃的な内容と巧みなストーリーテリングが大きな話題となり、2017年Netflixで最も観られたドラマ作品の一つとなった。2018年5月18日よりシーズン2の世界同時配信が開始した。
ティーンエイジャーのクレイ・ジェンセンが学校から帰宅すると、玄関に7本のカセットテープが入った箱が置いてあることに気がつく。それには2週間前に自殺した同級生、ハナ・ベイカーが自らこの世を去る決断をした13の理由が録音されていた。 ”(Wikipediaより抜粋)

 

 NETFLIXオリジナルドラマ。現在シーズン2まで公開中。

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