レビューのようなもの

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第7回:月とキャベツ


月とキャベツ

 

”『月とキャベツ』は、1996年に制作された篠原哲雄監督の日本映画。鶴間香のシナリオ・『眠れない夜の終わり』(さっぽろ映像セミナー 受講シナリオ)を原案として、篠原哲雄真柴あずきが脚本を書いた。歌手の山崎まさよしが主役を務める(俳優としての映画デビュー作)と同時に映画音楽も担当し、主題歌として用いられた「One more time, One more chance」は山崎の代表作の一つともなった。”Wikipediaより抜粋)

 

 

人気ミュージシャンだった火花は音楽活動から離れて田舎に引きこもり、のんびりとキャベツの栽培をする生活を送っていた。そんなある日、彼のファンと名乗る謎の少女ヒバナと出会い、彼女との交流の中で徐々に1つの楽曲が出来上がっていく。

 

端的に言えば、山崎まさよしの名曲「One more time, One more chance」が完成するまでの物語。

 

ラストシーンにおいて月明かりの元で山崎まさよし演じる花火がこの曲を弾き語る様は得も言われぬ素晴らしさだ。

「君の名は」で有名な新海誠監督作品である「秒速5センチメートル」の主題歌としても有名な楽曲だが、歌詞とストーリーの親和性や主人公の心情が表現された魂の歌声はCD音源のものとは全く別物なので、「月とキャベツ版」とその他で曲の印象が全く違うように感じられた。

 

ストーリーとしてはシンプルで、登場人物も少なくヒバナの正体についても鑑賞途中でなんとなく想像がつく。そしてヒバナの見た目も広瀬すずのようなキレのある美少女という訳では無い。そのため、今改めて鑑賞すると、もしかしたら物足りなさを感じてしまうかもしれない。

しかし、前述したラストシーンにおいて、月明かりの下で花火がいなくなってしまったヒバナを想い弾き語りをする場面は山崎まさよしファンなら是非観てほしい。もしこの作品を知らずに「One more time, One more chance」を聴いていたならば、衝撃を受ける筈だ。そしてこう思うだろう。「この曲はヒバナの為に作られた曲だったんだ!」と。

 

純粋に単なる映画として観るとありきたりなドラマだが、「One more time, One more chance」の為の物語として観ると、この曲の魅力を1000%くらい引き立たせる傑作となる。そして山崎まさよしとこの曲が大好きになり、丸茹でキャベツにマヨネーズを付けて食べたくなる。そういった意味では、20年以上経った今でも色褪せない名作と言える。

特に「One more time, One more chance」が好きで未見の人にはオススメなので、この作品を観て曲をもっと好きになって、カラオケで歌うときは是非「月とキャベツ」バージョンで魂を込めて歌ってほしい。

 

残念ながらNETFLIXやAmazoneプライムビデオでは視聴できないが、レンタルしてでも観る価値はあるだろう。