レビューのようなもの

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第3回:グッドガールズ 崖っぷちの女たち


『グッドガールズ 崖っぷちの女たち』予告編

 

NETFLIXオリジナルドラマ。現在シーズン1まで公開中。

不倫していた夫が借金を抱えていることが発覚した主婦のベス。その妹でスーパーのレジ打ちをしながら娘を育てるシングルマザーのアニー。2人の親友で難病の娘により良い治療を受けさせたいルビー。それぞれに金銭的な問題を抱えた3人が、手っ取り早く金を手に入れるためにアニーが務めるスーパーに強盗に入ることを企てる。普通の母親たちが思いつきで手を染めた犯罪でマフィアに目を付けられ、逃れられない泥沼に嵌っていく。

 

 

一般人が金銭問題から犯罪に走り、徐々に悪の道にのめり込んでいく展開は海外ドラマの傑作ブレイキング・バッドを思い出させ、積極的にマフィアの仕事をこなそうとするリーダーのベスはウォルター・ホワイトを彷彿とさせるが、彼女たちの行き当たりばったりな犯行計画と後先を考えない行動はコメディ要素を引き立てているため、ブレイキング・バッドよりも明るい作品となっている。

しかし、その浅はかな言動によって次々とピンチに陥る彼女たちの姿は正に『崖っぷち』にふさわしく、綺麗にすべてが解決することは絶対にないだろうことが予想できる。

 

ベスは頭が回り行動力もあり弁が立つ。ポーカーフェイスが上手く、マフィア相手にも対等に交渉しようとする謎の度胸があるが、暴力的な脅しには滅法弱く、脅されるとすぐに泣きだすため、ハイゼンベルグになるには遠い。

アニーは短絡的な性格で、ミスの許されない犯行計画中でも自分の欲望を優先させる。多くのトラブルは彼女のうかつな行動が発端となっており、この作品を盛り上げるためのトラブルメイカーとなっている。他の2人から弾劾されてもおかしくないが、何だかんだで許されていることで彼女たちの仲の良さが示されている。

ルビーは犯罪に対してどちらかというと消極的な印象がある。しかし、日本のような健康保険が充実していないアメリカでは、ルビーの娘の治療に多額の費用が必要で、その治療費の為に彼女は飲食店で働いているが到底賄える金額ではない。その為、3人の中で最も切実にお金を必要としているので、娘の治療が続く限りは手を引くことができない。

 

『崖っぷちの女たち』のフレーズがぴったりの作品。

事情を抱えながら子育てに奮闘する女性たちのドタバタクライムコメディだが、シーズン1のラストでは衝撃の展開を見せ、続きが非常に気になる締め方をしている。

 

サクっと観られて十分楽しめる作品なので、次は何を観ようか迷っている人はぜひ選択肢に入れてほしい。