レビューのようなもの

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第2回:サニー 永遠の仲間たち


映画『サニー 永遠の仲間たち』予告編

 

”『サニー 永遠の仲間たち』(サニー えいえんのなかまたち、原題:써니)は、2011年の韓国映画。カン・ヒョンチョル監督の2つ目の長編映画作品。42才の女性が離れ離れになった高校時代の仲間たちを探す過程で、青春時代の輝かしい日々を取り戻す様子を1970年代から1980年代の数々のヒットナンバーにあわせて描く。カン・ヒョンチョル監督は前作『過速スキャンダル』が800万人の観客を動員したのに続き、この作品でも700万人の観客動員を突破した。”Wikipediaより抜粋)

 

2018年公開の邦画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」のリメイク元で、NETFLIXで視聴可能な作品。

 

エリートの夫と反抗期な娘と共に裕福な生活を送る主婦イム・ナミは、母の入院先で高校の同級生で仲良しグループ「サニー」のリーダーだったハ・チュナと再会する。末期がんで余命2ヶ月の彼女からサニーの仲間たちを探してほしいと頼まれ、彼女の最後の願いを叶える為に仲間探しを始める。

 物語は仲間の消息を辿る現代パートと25年前の輝かしい記憶である高校時代パートで構成される。田舎から引っ越してきたイム・ナミは都会の学校で素晴らしい仲間たちと出会い、友情と淡い恋に彩られた学校生活を送るが、突然の悲劇により離れ離れになってしまう。そして25年後の現在、あの頃輝いていた仲間たちはそれぞれ苦労を重ねた人生を送っていた。

 

感動映画の定番ともいうべき鉄板の作品で、作中でイム・ナミが高校時代に仲間たちと撮影したDVDを見るシーンで涙が零れた人も多いと思われる。

 高校時代パートは1980年代後半の韓国が舞台で、当時の世相や流行を再現した演出は、当時の韓国を知らなくてもノスタルジーを感じさせるのに十分だったため、リアルタイムで経験した韓国の方々にとってはそれだけで感動ものだったと想像できる。

 

キャスティングに関して言うと、韓国女優については無知であるが、現代の垢抜けたセレブ妻であるイム・ナミと高校時代の芋くさい田舎者のイム・ナミは正にハマり役だと感じた。日本版でそれぞれ篠原涼子広瀬すずが演じているが、イメージで言えば松嶋菜々子とのん(能年玲奈)の方が適役なのかもしれない。先入観の影響もあるが。

 

コミカルな演出を交えながら進行するストーリーは最後まで飽きることなく見続けられ、鑑賞後は主題歌であるシンディー・ローパータイム・アフター・タイム」のカバーと相まって穏やかで温かい気持ちになれる名作。

ただし、アクションシーンや緊張感のあるミステリアスな展開はほぼ無いので、人によっては盛り上がりに欠けると感じるかもしれない。

この作品を楽しめるかどうかは現代のイム・ナミ達に共感できるかに懸かっているため、未だ後ろを振り返り懐かしむことのない若者には向かないかもしれない。

その代わり、ノスタルジーにめっぽう弱くなった大人たちにはドストライクとなるので、ぜひ一度観てほしい。

 

日本版リメイクは未だ観ていないが、この作品の雰囲気をそのまま再現できているのであれば、恐らく名作なのではないか。そう思わせるくらい、この韓国版の本家「サニー」は素晴らしい作品だった。